TETORA
急いでるのにな ピカピカ光る信号は赤くなってしまった 家に帰ってくるっていうから今日も改札で待っていて にたっとした顔 横から覗くだけで嬉しくなるんだよ 物語の始まりはいつも 一方通行 からっぽい 無理に "してもらう" 時より "された" 時の方が 覚えちゃってるような 誕生日にあげた年中無休の肩叩き券は少し後悔している 夜中のコンビニじゃんけんはいつだって負ける 勝っても負けても本当は二人で行きたかったんだよ ベッドの中 枕の匂いは嗅ぎたくなる ねえこっち向いて なんて思ったりして 背中に咳き込んでみたけど テレビの音にも勝てないのか 好き勝手に付き合って 好きだって言わなくなって 意地張って言えなくなって きっとね これからもこの気持ちって 行き止まりなんてあるはずないよね 時計壊れてほしいな チカチカ光るバラエティ番組だけがまだ ただ呑気に笑っていた 気がつくと部屋が薄暗くなってた その時おいでって腕を引っ張られて 二人の一方通行が一本の糸になった時 二人の耳も赤くなってた