羊文学
長い階段を かけ上がってたら 足が疲れて 座り込んでしまった 一度こうなると 立ち上がるのには ものすごく強い 心がいるなと思った 映画にうつってた ハッピーエンドは あたりまえだけど 作り話だって 気づいてからは いろんなことを 仕方ないからと 笑ってゆけるようになった 君はさよならも 言わずにゆくだろう 窓を抜ける風 プールサイドみたいな においだ わたしまだ壊れたままでいる 当たり前のことが どんどん遠ざかってゆく いつだって神様はみている それも忘れてく 自分のことばかり いつもいっぱいになるのは 多分仕方のないことで それもいいけれど すこしくらいは 優しくなりたい いままでのことは 忘れておくれよ 壁に空けた穴くらいにしか 君の人生を 変えてない わたしまだ壊れたままでいたい 思い出はいつでも 少しだけ輝いて見える いつだってそれを妬んでは 立ち止まっている 昨日の事ばかり いつもいっぱいになるのは 多分仕方のないことで それもいいけれど すこしくらいは 幸せも知りたい きっともう二度と 会うこともないけど 仕方ないよねと 笑ってゆけるようになるだろう