竹原ピストル
人もまばらな駅のホームに、朝の列車がやってきた。 今夜に向かって走りゆく、朝の列車がやってきた。 萎んだカバンを胸に抱き、寝ぼけ眼で車窓を覗く。 街を去る度に音がする。何かと千切れる音がする。 “分かってたまっか。知ったこっちゃねーよ。 分かってたまっか。知ったこっちゃねーよ。。”って 閉ざしきった足音を重ねてきたし 重ねていくんだろうけど せいぜい胸を張ってやるさ。 せいぜい胸を張ってやるさ。 救いようのない人間にしか救いようのない人間も いるだろうよ。 せいぜい胸を張ってやるさ。 螺旋階段の踊り場で、商売敵-とも-の歌を聴いている。 小屋の扉からはみ出した、商売敵の歌を聴いている。 これが最後の曲らしい。爪を噛むのを、 膝を揺らすのをやめて、 やがてステージを継ぐ度に音がする。 何かが千切れる音がする。 “負けてたまっか。ざまあみろ。 負けてたまっか。ざまあみろ。。”って 荒みきった足音を重ねてきたし 重ねていくんだろうけど せいぜい胸を張ってやるさ。 せいぜい胸を張ってやるさ。 救いようのない人間にしか救いようのない人間も いるだろうよ。 ピントのズレたスポットライトの下 トグロを巻くタバコの煙を蹴散らし 酒に腐った野次を掻き分け 縒れた手拍子に小節をしならせながら 首の曲がったフォークギターを掻き鳴らし 頭の潰れたマイクロフォンに口づけ 左右ちぐはぐな声帯を擦り合わせ 濁声を弾き飛ばしながら せいぜい胸を張ってやるさ。 せいぜい胸を張ってやるさ。 救いようのない人間にしか救いようのない人間も いるだろうよ。 せいぜい胸を張ってやるさ。 せいぜい胸を張ってやるさ。 救いようのない人間にしか救いようのない人間も いるだろうよ。 せいぜい胸を張ってやるさ。
曲情報 | |
---|---|
作詞 | 竹原ピストル |
作曲 | 竹原ピストル |
編曲 | TARO ex EZO / 竹原ピストル |
Vocal | 竹原ピストル |
All Other Instruments | TARO ex EZO |
Track | TARO ex EZO |
引用 | 悄気る街、⾆打ちのように歌がある。 |