日食なつこ
極東の太陽名乗る町で 持て余して追う木枯し 喉の奥で知る秋の終わり 人を愛せず季節を愛した 光だったら弱いのが好き 照らされることを得意とはしない そう例えばこのドアのように スモーキーなの 金属的なのがいい 出迎える声と くゆるシガーと 呼ばれるままたゆたう空気くぐって 煙に巻かれた峰を往く 誰を待つでもなくコーヒー冷ます ブロンズに鈍く光る峰を往く 崩れることのない足場を願う 極東の太陽いま子午線にステイ また持て余して 2度目の町 すくいとっては口に含む 真夏の雲 ビビッドグリーンチェリー 今日は1日何にもない日 窓の反射に棲む魚たち数え 煙に巻かれた峰に居る 誰も思い浮かべずにパフェ溶かす ブロンズに磨かれた峰に居る 次もまた匿ってくれることを願う あのドアをくぐれば夢 世界がどうしようもない日も そう まさに今日こそ 煙に巻かれた峰を探す 喉の奥 舌先に涙を溜める ブロンズに鈍く光る峰を探す 崩れることはないと信じていた 空っぽの峰を見ても信じていた まだ信じていた
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