日食なつこ
おさないころには母のくるまで かぞくででかけた大きなデパート ボタンでうごくちゅうしゃじょうのきかいが ひどくこわかった小さなじぶん エレベーターにのって6かいをめざす 町をみわたせるしょくどうにでる かならずだれかの知りあいがいて しょくごのソフトクリームをたべてた あのデパートのさいじょうかいから見た この町のけしきがはてしなくおもえていた あのころのぼくらはきっとまだいるんだ つぎの夏になくなってしまうあのデパートに 大人になっても自分の車で たまにでかけた小さなデパート 特別な日しか行けなかったそこは 片道15分の場所だった 背伸びをしても見えなかったショーウィンドウの 一番上はビールとコーヒーって知った 苦い大人の味、今日は忘れて 大きなソフトクリームを食べよう あのデパートの最上階に行けば この町じゅうに果てしない夢を散らかした あの頃の僕らにいつだって戻れた どこに行ってどんな大人に変わっていたとしても あのデパートの最上階から見た この町の景色が果てしなく思えていた あの頃の僕らはずっとずっといるんだ 次の夏になくなってしまうあのデパートに あのデパートに
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