ナードマグネット
最後に君はなんて言ったっけ? ぼやけた視界の向こうで手を振った 曖昧な返答を繰り返して 季節がまたいくつか過ぎ去った 砕け散るふたつの小さな星が 窓の外を切り裂いて それはあまりにもあっけなかったんだ 夏の終わり 記憶の切れ端で 短い髪が風に揺れていた 振り返らず黙って飛び出した あの夜はもうずっと前のこと 人混みの中立ちすくんでいた 靴紐がほどけたまま すれ違うたびに心細くなって 君が太陽を奪った 僕の太陽を奪った 君が太陽を奪って こんな世界を見せてくれた 最後に君はなんて言ったっけ? 夢を見てたのはきっと僕だった 振り返らず黙って飛び出して 本当は今もずっとひとりで 砕け散るふたつの小さな星が いつかの花火のように それはあまりにも美しかったんだ
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